歯磨きは虫歯を予防する最も効果的な方法であり、また症状の軽いC0・C1レベルの虫歯を治す手段です。
しかし、歯の隅々まできちんと磨けていないと無意味なため、TBI(歯磨き指導)をおこないます。
TBIでは最初に染め出しによる磨き残しチェックをおこなって歯磨きの欠点を確認します。その後、正しい歯磨き方法を説明します。
効果的な口腔ケアができれば“歯を削らずに虫歯を治す”ことができるかもしれません。
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は予防歯科先進国スウェーデンで考案された歯科医院でおこなう歯の専門クリーニングです。
徹底的に口腔内をきれいにすることで、虫歯菌の温床であるバイオフィルム(歯垢や歯石)を除去します。
唾液は虫歯に溶かされたエナメル質を修復する力を持っています。
TBIやPMTCで口腔内を衛生的に保ち、併せてフッ化物歯面塗布法をおこなうことで唾液の機能が効果的に働かせて自然治癒力を 高め、虫歯の自然治癒を目指します。
フッ素には歯の再石灰化を促したり、虫歯菌の活動を低下させる働きがあり、小さな虫歯であればフッ素と唾液の力で虫歯を自然治癒させることが可能です。
実際の治療ではフッ素を有効に働かせるために口腔内のクリーニングをおこなってからフッ素を歯面に塗布します。TBI(歯磨き指導)も同時におこない、ご自宅での適切な口腔ケアの方法を説明します。
経過観察に入り、虫歯を自然治癒させることができれば“歯を削る”必要はありません。
光に反応して硬化する性質(光重合)を持つ軟性レジン(プラスチック材)を塗り固めながら歯の形態を修復(積層法)する治療です。インレー(修復物を詰める治療)に比べ短期間に治療を終えることができます。
保険適用対応の軟性レジン材を使用することで安価に治療できますが、治療工程もシンプルになり、この後説明するコンポジットレジン充填法と比べると修復した歯の色調などが若干落ちます。
しかし、治療費が安価なことは大きな魅力です。応用範囲も広く、欠けた歯の修復や盛り足しによるすきっ歯の改善などさまざまな用途で用いることもできます。
コンポジットレジン充填法とほぼ同じ治療ですが、詰める材料が軟性レジンにセラミックスを含んだハイブリッド樹脂材になります。フッ化物が含有されており、微量なフッ素を放出し続けるフッ素徐放性も持っているため虫歯を予防する効果にも期待を持てます。
周囲の歯の色調に合わせるだけでなく、歯本来の透明感まで再現でき、見た目をより美しく仕上げることができるため、前歯など目立つ部分にもお勧めできる治療方法です。
採取した歯型から製作した修復物を詰める治療で、奥歯や歯と歯の間にできた虫歯の治療などに比較的多用される治療方法です。
修復物には部位や目的、ご希望などにより、自費診療のハイブリッドセラミックスやゴールドもあります。
クラウンは歯を大きく削った場合にかぶせる修復物で、歯根部を土台として使用できればどの歯にでも適用できます。
修復物には、前歯はレジン(プラスチック)前装冠・メタルボンド・オールセラミック、奥歯は金銀パラジウム合金・ゴールド・メタルボンド・オールセラミックスなどがあります。
自費診療になる場合もありますが、患者様の目的や希望によって材質を選ぶこともできます。
歯髄(歯の神経)は神経や血管の集まりで歯髄腔(根管)に収まっており、歯への栄養補給および歯の痛みを脳に伝達する役割を担っています。
この歯髄が虫歯に侵されると“歯髄炎”となりズキンズキンと激しい痛みを感じるようになりますが、歯髄が死んでしまうのは時間の問題です。
このような場合、虫歯による歯の破壊を防ぐため、歯を残すために、虫歯菌に侵された歯髄をすべて取り除く治療が必要になります。
これが歯を残すための最終手段“根管治療”です。